絶望の肝臓がんを治す、諦めなくていい治療法①は「門脈動脈同時塞栓療法」(もんみゃくどうみゃくどうじそくせんりょうほう)」。ベースになった「肝動脈塞栓療法」(TACE:テイス)は、1980年代に日本で開発された治療法で、現在も肝臓がんを縮小させるのに有効な治療法とされています。
門脈動脈同時塞栓療法は、北九州市小倉の岩本内科医院理事長の岩本英希医師が、父親で先代院長だった故・岩本昭三氏から受け継ぎ、極めた、カテーテルによる肝臓がん治療です。
「カテーテル治療の最大のメリットは、動脈を介して、抗がん剤もしくは塞栓物質を直接がんに届けられることです。つまりがんをダイレクトに攻撃することができる。
全身の抗がん剤治療では、抗がん剤を静脈経由で全身に投与しますが、それだとがんだけでなく、心臓や肺など、さまざまな臓器にも届くので、薬も多量に必要になり、副作用の問題も出てきます。
でもカテーテル治療なら、直接がんに届けられるので、量も副作用も少なくできるし、効率的にがんを攻撃することができる。それがカテーテル治療です」
と、岩本医師は説明します。
肝臓がんのみならず、すべてのがんは動脈からの血流によって栄養されていることをご存知でしょうか? 肝臓がんは、肝動脈を通して栄養を受け取り、生きています。
では、肝臓本体は・・・というと、こちらを栄養し、生かしているのは主に門脈という腸から肝臓に流れ込む血管です。肝動脈からも栄養されてはいますが、その割合は30%程度。
「門脈動脈同時塞栓療法」では、一つ一つの肝臓がんに流れ込む肝動脈を、抗がん剤と血管内塞栓物質を詰めることで塞ぎ、さらに肝臓がんに関連する門脈も塞ぐことで、がんに供給される栄養を完全に断ち、肝臓がんを壊死させます。再発するたび、何度でも。
患者さんの中には、一度の再発で13個ものがんが見つかった人もいましたが、岩本医師は一つ一つをしらみつぶしに治療。年2回、3~5カ月起きに再発と入院治療を繰り返した結果、6回目のカテーテル治療を最後に、再発がストップし、現在はほぼ寛解に至っているそうです。
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